パックテストでCODを測ろう! (夏休みの自由研究)

事例紹介

このコラムでは、夏休みの自由研究として、自宅でもできるパックテストを使った食料品のCOD(化学的酸素要求量)を測定する実験の紹介をしたいと思います。CODとは、水中に含まれる有機物の量を表す指標で、水の汚れの程度を示すのに使われます。食料品にも有機物が含まれているので、CODを測定することで、どれくらい水質に影響を与えるかを調べることができます。今回は、パックテストを使って紅茶、インスタントコーヒー、オレンジジュース、しょうゆのCODを測定しました。

あると便利な計量器具

食料品のCODは非常に高いので、そのまま測定することはできません。そこで、測定の前に希釈をしてから測定を行います。希釈とは、少量のサンプル(測定するもの)に水を加えて薄めることです。希釈に使用する水は、きちんとした実験では、不純物を含まない純水を使いますが、自宅で実験するときは、水道水を使用しても大丈夫です。例えば、ジュースを1mL測りとって、そこに水を加えて100mLにすると、ジュースは100倍に希釈されます。5mLのジュースに水を加えて100mLにすると20倍希釈になります。希釈を行うには、一定の体積を測る必要があります。実験室では、ピペットやメスシリンダーを使って体積を測ります。ハンズなどの実験用品を扱っているお店では、これらを購入することもできます。また、ご家庭にあるものを使って体積を測ることも可能です。

液体の体積を測れる身近なもの

<ペットボトル>
500mLや1Lといった比較的大きな体積を測りとるのに向いています。右の写真のように中身を飲む前にボトルのどの位置まで中身が入っているか線を引いておくと使う時に便利です。使う前に水道水でしっかりすすいでから使用します。

<計量スプーン、計量カップ>
計量スプーンの小さじは5mL、大さじは15mLです。最近では、1mLなどの体積を測れる計量スプーンも売られています。

<キッチンスケール(調理用のはかり)>
1gを1mLとして使用します。清涼飲料水などの食料品は、厳密には1g=1mLではありませんので、多少の誤差は生じますが、パックテストのような簡易分析では、大きな影響はありません。

今回は、それぞれのサンプルをキッチンスケールを使って1000倍に希釈しました。大きめの容器に、サンプルを1g加えて、そこにスケールの目盛りが1000gになるまで水を加えます。スプーンなどでよくかき混ぜれば希釈は完了です。これをきれいなコップなどに移して、パックテストに吸い込みます。

コーヒーを希釈。1000倍希釈した後のコーヒーの見た目は、ほとんど透明です。
オレンジジュース 測定中

希釈したサンプルを吸い込んだら、5,6回チューブを振り混ぜて5分間静置します(2,3分経過したら、再度1,2回振り混ぜます)。CODの高さに応じて、チューブの中の溶液が赤紫色→紫色→緑色→黄色と変化します。5分が経過したら、チューブを標準色の上にのせて、どの数値の色に近いか判定します。

全てのサンプルを同じように希釈して測定した結果は、下の表のようになりました。パックテストの測定結果は、1000倍に薄めた後の結果です。薄める前のCODを求めるためには、パックテストの測定結果に希釈倍率(今回は1000倍)を掛ける必要があります。今回測定したサンプルの中では、しょうゆのCODが一番高い結果になりました。また、同じインスタントコーヒーでも砂糖とミルクを入れた方が高い値になっていますね。砂糖とミルクは有機物なので、これらが溶けた食料品のCODは高い値になります。

実験結果 !!

今回は、食料品のCODを測定する実験を紹介しました。希釈の操作が少し難しいですが、このコラムを参考にして、ぜひチャレンジしてみてください。パックテストで食料品のCODを測定する場合、100~1000倍くらいの希釈が必要になります。また、同じ食料品でもメーカーやブランドが違うとCODの値も異なるものになります。いろいろな種類の紅茶やコーヒーを用意して、CODの値を比べてみるのも面白いのではないでしょうか。

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#自由研究 #夏休み #COD #水質測定