パックテストが使われる現場を知る ~筑波大学附属中学校~

ユーザーインタビュー

パックテストがどのように教育現場で活用されているかを知るために、東京都文京区にある筑波大学附属中学校を訪れました。ここでは、理科の授業や修学旅行の事前及び当日の学習で、パックテストが中学生の学びに役立てられています。今回は、筑波大学附属中学校の佐久間直也教諭に、パックテストを活用する理科の授業やその意義について伺いました。

建物外観

パックテストを活用する理科の授業とは

筑波大学附属中学校では、学習指導要領に基づきながらも教科の特性を生かした授業づくりを行っており、その一例として理科では中学校入学段階で導入単元を設定しています。その単元では「水を科学する」というテーマを掲げ、水という視点から身の回りの自然・環境について考える授業が行われています。その授業内で、パックテストを活用しています。

導入単元では、雨水や生物が生息している水槽の水、川の水、水道水など、身の回りにある様々な種類の水の性質をパックテストで比較していました。しかし、近年はどこの水を採取してもきれいな水が多く、採取する水の性質に大きな違いが生まれなくなってしまいました。そこで佐久間先生は、新たなに生活排水に着目して、「自分たちが普段出している生活排水がどれほど汚れているのか」を考える授業を実践してみました。

その授業では、まず身の回りの生活排水がどのくらい汚れているのかパックテストで調べます。その後、実際に浄水場で行われている、活性汚泥によって生活排水を浄化する実験を行い、浄化前後で生活排水の汚れ具合がどのくらい変わるのかパックテストで調べます。生徒たちは、生活排水が浄化される一連の流れを体験し、日常生活における水の循環を理解することで、水の大切さのみならず、実感をもってきれいな自然・環境を維持しているシステムについて理解することができます。

佐久間先生

生徒たちは、パックテストの色の変化を予想したり、時間の経過と共に変化する色の変化をじっと真剣に観ていたりしています。あまりに急速な色の変化に驚いたり、ワイワイと楽しみながらパックテストを活用した授業に取り組んでいました。

中学生にとって、目に見えないものを理解することは難しいようです。目に見えないものこそ、可視化することが大切になります。可視化することで、生徒は実感をもって理解することができるようになります。

理科では、目に見えないものを観察・実験という手段を通して可視化して、仕組みを理解しようとする教科です。パックテストの発色が「目に見えない水の性質の一部を可視化する」ことで、教材としての役割を果たしているように感じました。

「パックテストは水の性質という目に見えないものを様々な視点から可視化できる点が良さであり、子どもたちが目に見えない水の性質を探求する学習活動を行うために、すごくいい教材だと感じている。 さらには、パックテストを活用する理科授業の中で、中学校理科で身に付けさせたい実験の技能(例えば、ビーカーの洗い方やろ過の仕組み・方法など)を教えることもできる。」ということです。

先生の想い、そして目標

佐久間先生の教育における最大の喜びは、「生徒と共に価値あるものを創り上げること」だと言います。筑波大学附属中学校に赴任してから、授業は生徒と共に創り上げるものであるという考え方に変わったと言います。それは、教師が知識を教える授業をするのではなく、生徒たちと共に知識を創り上げる授業をするという意味です。

そして、これからの教育の目標について佐久間先生は、「人間性の涵養」だと語ります。生徒たちがこれから先、豊かな人生を切り拓いていくために、理科の教師として、理科の授業を通して何ができるのか常に考えていかなければならないと考えています。

佐久間先生(左から3番目)

おわりに

今回の取材を通じて、パックテストがどのように教育現場で活用されているのかを知ることができました。そして、それが生徒たちの学びにどのように寄与しているのかを知ることができました。 これからも、より良い製品を作り続け、一人でも多くお客様のもとへ届けていければという思いに駆られました。また先生の生徒に対する想いを見習い、パックテスト、そしてお客様と真摯に向き合い進んでいこうと思う機会となりました。

筑波大付属中学校」は、1872(明治5年)に神田昌平黌跡(現文京区湯島1丁目5番地)に師範学校創設する。(※後の高等師範学校となる。)

1978年(昭和53年)に筑波大学に移管され、筑波大学附属中学校と改称。 校訓は、“強く、正しく、朗らかに”。