全国一斉調査2025レポート

活動紹介

身近な水環境の全国一斉調査」は、今年で第22回を迎えました。
この調査は2004年より、世界環境デー(6月5日)に近い日曜日に、国土交通省と市民団体の協働によって毎年実施されています。

本イベントでは、全国の河川を対象に、参加者が同じ日にパックテストを使用して水質検査を行い、
その結果は全国水環境マップ実行委員会によって、視覚的にわかりやすいマップとして公開されます。全国の川の水の現状を同時に比較できる貴重な取り組みです。
調査で使用される「パックテスト」は、共立理化学研究所が全国の参加者に無償提供しており、私たちも「共の会」の一員として今年の調査に参加しました。

本コラムでは、私たちのオフィスがある横浜市内の「鶴見川」と「恩田川」にて実施した水質調査の様子をご紹介します。

採水・水質調査の様子

6月13日の調査当日は天候にも恵まれ、社員数名で各採水ポイントへ向かいました。
鶴見川や恩田川には多くの生物が生息しており、当日もウグイスやカモ、コイなどを観察することができました。当日は曇り空で、前日が晴天だったこともあり、天候が水質にどのような影響を与えるのかも興味深い点です。

以下、当日の調査内容を簡潔にご紹介します。

採水結果(各地点の様子)

①恩田川(鶴見川合流前)
時刻:13時30分 現地気温:26℃ 現地水温:24℃
アメンボ、カモ、ウシガエルなどが生息しており、生物の種類が豊富な印象を受けました。
水流は速く、他の地点に比べても生態系の多様性が感じられました。

②鶴見川(千代橋上流側)
時刻:14時00分 現地気温:26℃ 現地水温:24℃
大型のコイやトンボが確認できました。川の中には、長い水草が生えており、生物が生息しやすい環境のようでした。水は速く流れており、泡も少し見られました。

➂鶴見川(落合橋下・右岸)
時刻:13時40分 現地気温:26℃ 現地水温:24℃
水にやや濁りがありましたが、アオスジアゲハやアメンボなどが見られ、水質は比較的良好な印象でした。水の流れも速めでした。

④鶴見川(鴨池人道橋下・右岸)
時刻:14時30分 現地気温:26℃ 現地水温:24℃
川の中にバーベキューコンロ一式が投棄されているのが確認され、残念な気持ちになりました。 水草は多く見られましたが、生き物は確認できませんでした。
流れもほとんどなく、他の地点と比べて水質がやや悪い可能性があります。

水質調査(測定結果)

水質の測定は、採水後にオフィス内のラボで行いました。試水の水温は20℃で統一。
各地点で採取した水を「パックテスト COD(低濃度)」で3回ずつ測定しました。

【COD 測定結果(平均値)】
①恩田川:4mg/L
②千代橋上流側:4mg/L
③落合橋下(右岸):4mg/L
④鴨池人道橋下(右岸):5mg/L

また、測定に加えて、水のにおいや色、流れなども観察しました。「見て・触って・測って」と五感を使うことで、水環境への理解を一層深めることができたと思います。

特に印象的だったのは、見た目には透明で一見きれいに見える水でも、COD値が意外と高く、水質改善の余地があると分かった点です。

これからの水環境と私たち

“水”は私たちの生活に欠かせない重要な資源です。料理や入浴、そして雨など、日々の生活のあらゆる場面に関わっています。
しかし、水が私たちの暮らしにどのように関与しているのか、あるいはどのような種類の水が身の回りにあるのかを意識する機会は、意外と多くありません。

今回の調査は1日限りの取り組みでしたが、水環境を守るためには、日々の意識と行動が大切です。身近な川に目を向け、水質を知ることが、ひいては流域全体、さらには地球全体の水環境の改善へとつながっていくのだと、改めて実感しました。

さいごに

「全国一斉調査」は単なるイベントではなく、市民参加型で行う、地域に根ざした環境保全活動の第一歩です。これからも「共の会」の一員として、地域の水環境に引き続き目を向け、継続的な活動を続けていきたいと思います。


関連製品

製品名:パックテスト COD(低濃度)