こんなところにパックテスト ~炭酸飲料 vs. 歯磨剤!中学生が挑んだ「脱灰」の検証~
パックテストは企業や市民活動で使われることが多い製品ですが、実は学生の実験や自由研究でも活躍する分析キットです。
今回は、日常のちょっとした疑問をきっかけに、夏休みの自由研究としてパックテストを活用し、地域の特選賞受賞という成果を収めた中学2年生の研究事例を特別にご紹介いたします。(※掲載許可取得済み)
■お問い合わせから実験まで
ことのはじまりは、今年8月。
学生の夏休み期間中のある日、中学2年生の方から「夏休みの自由研究用にパックテストカルシウムのサンプルがほしい」というお問い合わせメールが届きました。
サンプルをお送りしたところ、「実験に有効だと分かった」とすぐに購入。その後、実験結果をまとめて宿題として学校に提出したそうです。
■自由研究の内容
テーマ:
「酸性飲料が卵殻モデルに与える影響:フッ化物配合歯磨剤の予防効果の検討」
研究概要:
歯の表面を覆うエナメル質は酸に弱く、酸性飲料を飲むことでカルシウムが溶け出す脱灰が起こり、それが虫歯の原因とされている。
歯のモデルとして卵殻を用い、酸性飲料に浸した際の卵殻の変化を歯磨剤を塗布した群と塗布していない群に分けて比較。
あわせて、
・卵殻の見た目や触感の変化
・ 飲料水中のpH
・ 卵殻から溶け出したカルシウム量
を測定し、フッ化物配合歯磨剤の効果について検討した。
※フッ化物配合歯磨きに含まれるフッ素の成分には、エナメル質の修復促進、歯質強化、むし歯菌の働きを弱めるなどの効果があるとされている。(当社補足)
研究のきっかけ:
炭酸飲料やスポーツ飲料を飲む機会が多く、親から「虫歯になるよ」と注意を受けている。本当に虫歯になってしまうのかを、自由研究として実験で確かめてみようと考えた。
【実験内容と観察】
歯に見立てた卵殻に、歯磨剤を塗布したものと塗布していないものを用意し洗浄。
その後、酸性飲料水、酢、ミネラルウォーターなどにそれぞれの卵殻を浸漬し、所定の時間で経過観察を実施。
卵殻の見た目や触感の変化を記録するとともに、浸漬した飲料水のpHと溶け出したカルシウムの濃度を測定。
pH測定には試験紙を使い、カルシウム測定にはパックテストを使用した。
【実験のまとめ】
時間の経過とともに浸漬した飲料水中のpHとカルシウムの濃度が上昇。これにより酸性度の高い飲料水が卵殻のカルシウムを溶かし、脱灰を引き起こしている事実を明確に確認することができた。
一方で、歯磨剤を塗布した卵殻と塗布していない卵殻の間における溶け出したカルシウム量の違いについては、今回の実験条件では大きな差は確認できなかった。

■その後……快挙のご報告!
後日、この自由研究が学内で優勝したと嬉しい報告が届きました。
さらにさらに! 校内の自由研究の枠を飛び出し、地域の市の特選賞(自然の部)を受賞し、表彰されたとのことです。

■表彰後にいただいたメールより(一部抜粋)
「特選賞をもらいました。昨日表彰式があり、嬉しかったのでご報告します。自分的にはあまりうまくいかなかったので、来年も研究を引き続き実施して頑張ります。ご協力を頂き、ありがとうございました。」
■当社より
パックテストによる実験だけでなく、見た目や手触りなど五感を使った観察を行い、14ページにもおよぶ超大作のレポートを作成してくれました!
身近な疑問を出発点に、英語の論文なども調べながら独自に実験を組み立て、自ら考え検証する姿はまさに科学者です。
興味関心を持ち、その中でパックテストを知って使い、研究としてまとめてくれたことを、私たちはとても嬉しく思っています!
うまくいかない点も含め、今後もたくさんの実験を通して探求を深めていってくれることを願っています。
ありがとうございました!
パックテストは学生の実験自由研究にも活躍します!
気になった課題を見つけて、自分だけの実験にチャレンジしてみませんか?
リンク
特選:https://ubenippo-event.com/kagaku2025/kekka/
使用したパックテスト
・パックテスト カルシウム https://packtest.jp/products/wak_ca_2