目視測定とデジタルパックテスト
パックテストは、発色させたチューブの中の溶液の色を標準色と見比べて濃度を判定します。特殊な装置は不要なので、誰でも簡単に測定が可能です。その一方で、目視による測定にはデメリットもあります。
<目視測定のメリット>
・ 標準色と比較するだけの簡単操作
・ どこでも測定できる
・ 特殊な装置は不要
<目視測定のデメリット>
・ 比色の判断には、個人差がでる
・ 光の具合で色の見え方が変わることがある
(照明の違いや屋外であれば天候の影響を受ける)
・ 標準色の間の色を細かく読み取れない
・ 着色したサンプルの比色が難しい
そんなデメリットを解消するのに便利なのが 「デジタルパックテスト」 です。
濃度判定の個人差など目視測定の問題点を解決できる小型の水質計で、パックテストの発色液をセルに入れて測定すると液晶画面に濃度(mg/L)が表示されます。
ただし、測定範囲や共存物質の影響が目視測定と異なる場合があるので検討の際には注意をしてください。
例えば、アンモニウムの場合、下記のような違いがあります。
標準色を用いた目視測定 | デジタルパックテスト(DPM2-NH4) | |
---|---|---|
測定目盛 / 測定範囲 | 0.2、 0.5、 1、 2、 5、 10 mg/L | 0.2 ~ 4 mg/L (表示分解能 0.01mg/L) |
海水測定の可否 | ○ | × |
右の写真は、純水と人工海水にアンモニウム標準液を添加し、発色させた時の様子です。人工海水では濁りが発生してしまいます。デジタルパックテストでは、濁りのある溶液を測定すると測定値が高くなってしまうため正しく測定できません。ですが、標準色を用いた比色への影響は少ないため、目視測定は可能です。
デジタルパックテストを使えば客観性のより高い測定が可能になるため、測定の個人差を嫌う場面では非常に有効です。目視測定、デジタルパックテストそれぞれに利点がありますので、目的に合わせて使い分けてください。
デジタルパックテストは、購入検討用の試用品をご用意しています。
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