パックテスト カドミウムセット リリース!

製品情報

2021年10月1日、カドミウムを測定するパックテスト カドミウムセット(型式:SPK-Cd)をリリースしました。
本製品を少しでも皆さんに知ってもらうため、まずは”カドミウム”という化学物質について触れてみたいと思います。

さて皆さん、「カドミウム」と聞いて、最初にどんなことが思い浮かびますか?
イタイイタイ病、ニカド電池(Ni-Cd電池)、RoHS指令などなど。今となっては、日常の暮らしの中では縁遠くなり、使用される場面もごく限られた化学物質になっているのではないでしょうか?

カドミウムの主な用途
カドミウムは耐食性に優れる特長があり、主な用途には、ニカド電池、絵具・顔料、合金・接点材料、メッキ、塩化ビニル安定剤等が挙げられます。ニカド電池は、近年では、さらに高性能・多機能化の特長があるリチウムイオン電池への代替が進み、時代とともに電池の市場での需要も大きく変化しています。

イタイイタイ病の原因物質
カドミウムは、四大公害病の一つ「イタイイタイ病」の原因物質として有名です。
この公害は、富山県にある神通川流域の一部で発生し、発症から数十年が経過し、ようやくこの原因が神通川の上流にある亜鉛精錬所から排出されたカドミウムが原因であることが判明しました。神通川流域に暮らす人々から次々と奇病の発症が報告され、高度経済成長期に入ると、ますます被害者の数は急増しました。この被害の原因は、鉱山の事業活動からカドミウムを含む排水によって汚染した河川水にあることが分かりましたが、農業用水として河川水を使用した結果、その土地で育てられた農作物がカドミウムに汚染され、カドミウムを含有する水や農作物を摂取し続けた結果、慢性的なカドミウム中毒患者が増加するという事態となりました。この病気を発症した人々の症状として、「痛い、痛い」と泣き叫び、苦しんでいたことからその名の通り「イタイイタイ病」として今日では、教科書等でも掲載されています。

カドミウムに係る規制
カドミウムは、先に述べたような重篤な健康有害性があることから、今日では厳しい規制が設定されています。また、海外に目を向けるとEUにおいては、RoHS指令によって、電気・電子機器に使用されるカドミウムが制限されています。家庭用ゲーム機から基準値以上のカドミウムが検出され、メーカーに大きな損失が生じたという事例もあり、品質管理・工程管理の重要性が増しています。
以下の表において、主なカドミウムに係る規制を紹介します。


カドミウムの測定を簡単に!
カドミウムの分析には、様々な方法があり、公定法(JIS K0102等)では、原子吸光法やICP質量分析法などの機器分析が採用されています。これらの方法は、測定精度は高いですが、検査数や検査頻度が上がるとコストも増加します。また、測定結果が分かるまでに時間がかかってしまい、日常的な管理の場面において課題となるケースもあるかと思います。
パックテスト カドミウムセットは、水質汚濁に係る環境基準レベル(0.003mg/L以下)のカドミウムをわずか5分で測定することが可能なスクリーニングキットです!

パックテスト カドミウムセットは以下のような場面でご使用いただけます。
 ①排水管理
  水質汚濁防止法や下水道法の規制の遵守
 ②原材料や製品の品質管理
  原材料や製品中のカドミウム含有量の管理
 ③建設工事
  トンネル掘削や土木工事等における湧き水や排水等の調査や汚染対策
 ④産業廃棄物の処理
  電気・電子機器や海産物等の廃棄物中のカドミウムの含有調査

カドミウムは、管理を誤ると環境や人体に悪影響を及ぼすおそれがあります。
ぜひパックテスト カドミウムセットをお試しいただき、日常的な管理の場面でお役立ていただければと思います。