こんなところにパックテスト!? ~ 株式会社シンク・ラボラトリー編 ~ 

ユーザーインタビュー

このコラムでは、ユーザーさまへのインタビューを通じて、「私達のモノづくりがどのように社会貢献できているのか」についての理解を深めることを目的としています。 

今回は、入社8年目になる社員がインタビューに行ってきました。「パックテスト」が社会でどのように使われているのか、どのように役立っているのかについて、みなさまに紹介してもらいます。 


はじめまして、共立理化学研究所の丸山です。事業開発部に所属しており、今年で入社8年目になります。 ユーザー様からパックテストの使用感や現場での活躍について“生の声”が聞ける、またとない機会なので非常に楽しみです。

株式会社シンク・ラボラトリー様について

今回、訪問したのは「株式会社シンク・ラボラトリー」様です。 
全自動レーザーグラビア製版装置や、軟包装向け水性デジタルインクジェットシステムの開発・製造を行っている会社です。 

1960年に創業してから、時代にあった製版装置を生み出すことでグラビア業界を支え続けており、ここ数年来はインクジェットプリンターの製造も始めました。 

装置の開発、設計、製作、販売までを一貫して行っており、製版装置で使用する薬品類の開発、製造、販売を社内で賄っています。実は、同業が1社(ドイツの会社)しかない業界なのだそう。        シンク・ラボラトリー様では、世の中の油性インクを水性インクに変えることを目標として掲げています。 

油性インクに含まれるVOC(揮発性有機化合物)は、環境にも人体にも悪影響を与えるため処理が必要です。水性インクであれば、VOCの排出量が極めて少なくなります。 

インクジェットプリンターでは、必要な時に必要な分だけのインクを出すことができます。 余ったインクの廃棄も無く、インクジェットプリンターで使用されるインクにはVOCが含まれておりません。 

必要な分だけ使用して印刷が可能であるため、人にも環境にも優しいのが特徴です。


今回インタビューに応じていただいたのは、取締役 菅原さまと大野さまのお二人。 

インタビューの様子(右から取締役 菅原さま、大野さま)

Q. 普段パックテストでは、何の物質を測定していますか? 

A. 1番多く使用している項目は、パックテスト シリカ(WAK-SiO2)です。当社製のグラビア製版装置によって、グラビア印刷の版は1日に8000本ほどが製造されています。製版に使用する水の中にシリカが多く含まれていると、不良品が発生してしまいます。

不良発生を未然に防ぐために、1日1回のシリカの測定が欠かせません。実は、食品(ポテトチップスなど)に使われている軟包装の95%にグラビア印刷が使用されているんです! 

Q. 貴社の主力製品を教えて下さい。 

A. 全自動グラビア製版装置とデジタル化が進んでいるので、8年前よりインクジェットプリンターの事業を始めました。こちらの2つの写真を見てみてください。どちらがインクジェットプリンターでどちらがグラビア印刷の写真か分かりますか? 

どちらの写真もほぼ違いはないように見えます。

専門の方が見ないと見分けがつかないほど、インクジェットプリンターのクオリティが上がっています。昔はグラビア印刷が圧倒的なクオリティでしたが、今ではグラビア印刷に負けない状態になってきています。 

Q. パックテストを導入したきっかけは何ですか? 

A. 水中にシリカが多いと不良になるので、その対応で導入しました。 

Q. これまでパックテストを使っていて、役に立ったなと思う場面があれば教えてください。 

A. 製版の準備完了後にシリカの測定を行った際に、シリカが検出されたため、作業前に気づくことができた事がありました。その時は取水と排水の配管を間違えていたことが原因でした。         他には、新入社員研修の際にもパックテストを使っています。毎年、往復数時間かけてシリカが多く含まれている温泉水を汲んできています!                            パックテストシリカで測定すると真っ青になるので、新入社員にとっても分かり易く、印象に残るため研修で重宝しています。 

Q. 今後の展望や目標、チャレンジしたいことを教えてください。仕事、プライベートどちらでも構いません。 

A. 仕事面では、今まで知らなかったことについてこれまで以上に挑戦していきたいです。       例えば、今まで印刷の色が上手く出ない時は、機械のトラブルということで詳しく調べていませんでした。今後は、どこのトラブルが印刷の色にどのような影響を及ぼすかという事を調べていきたいと思っています。プライベート面では、アウトドアが趣味なので色々とトライしていきたいです! 

インタビューを終えて

普段の業務では、ユーザー様と接する機会がほとんどありません。                今回、ユーザー様に直接お話を伺えて、とても良い経験になりました。               世の中の油性インクを水性インクに置き換え、作業環境も自然環境も改善するという大きな挑戦と、人と自然に優しい環境づくりを目指すという二つの考えに、大きな刺激を受けました。        私自身も、「ブンセキをもっと身近にする」ために新しい事に挑戦していきたいです。(丸山)


ユーザーインタビュー「~シンク・ラボラトリー編~」はいかがでしたか?             次回のコラムもお楽しみに!  

<関連製品情報>  

パックテスト シリカ 型式:WAK-SiO2 

パックテスト シリカ(低濃度) 型式:WAK-SiO2(D)