私たちの暮らしと地下水① 地下水利用の現状

事例紹介

私たちの暮らしは、知らない間に地下水との関わりが深いことをご存じでしょうか。
本コラムより3回にわたり地下水の利用と地下水保全・対策、そして日常管理について触れてみたいと思います。

国内における水利用の主な水源
地球上の生物は、水がなければ生きていけません。そして、私たち人間は、暮らしの中で飲用以外に、
さまざまな用途で水を利用しています。
さて、私たちが利用する水はどこから来ているのでしょうか。
我が国では、自然・社会的要因にもよりますが、主に以下の水源を利用しています。
 ①地表水(河川の上流に造成したダムや河川の途中の堰、ため池や天然の湖沼など)
 ②地下水
 ③伏流水・その他


地下水利用の現状
下図では、国土交通省水管理・国土保全局水資源部の「令和2年版 日本の水資源の現況」の水使用形態の区分の図をもとに、同書に掲載されるデータを弊社で加筆し、概要をまとめたものです。

図.水使用形態の区分・水量と原水別利用割合の概要

私たちが利用する「都市用水」や「農業用水」の中で、直接的・間接的に使用する水量のうち約10%を超える量を地下水が占めています。
水源別の取水比率から見てみると、農業用水での地下水利用がわずか5%程度に対して、都市用水では20%以上と4倍も高いことが分かります。昔から大きな河川流域で農業が発達し、近代においては、急速な都市化の進行で、家庭用水や第二次、第三次産業での水利用が増加してきたことから良質な地下水の利用率も増加してきたと考えられます。

② 地下水の水質保全 へ続く。

参考資料
国土交通省 水管理・国土保全局 水資源部:令和2年版 日本の水資源の現況