パックテスト銅と銅(排水)の違い
パックテストには、同じ成分を測定する場合でも型式の違う製品がいくつか存在します。
測定原理の違うものや測定範囲の異なるものがあり、用途や検水の特性に合わせて製品をお選びいただけます。
このコラムでは、銅イオンを測定する2製品、 パックテスト 銅(WAK-Cu) と パックテスト 銅(排水)(WAK-CuM-2) の違いについて、簡単に解説します。
この2つのパックテストでは、測定原理が大きく異なります。
「パックテスト 銅」では、銅イオン選択性の高いバソクプロインという試薬を用いており、他の金属イオン類が共存するようなサンプルの測定に適しています。ただし、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)のようなキレート剤と錯形成した銅イオンを測定することはできません。
一方、「パックテスト 銅(排水)」では、DDTC(ジエチルジチオカルバミド酸)という試薬を用いています。この製品は、「パックテスト 銅」と比較して、他の金属イオンの妨害を受けやすい面はありますが、キレート剤と錯体を形成している銅イオンでも測定できるという特徴を持っています。
そのため、キレート剤が共存するめっき業の排水などの測定には、「パックテスト 銅(排水)」の方が適しています(表1)。
測定値 | パックテスト銅 (型式:WAK-Cu) | パックテスト銅(排水) (型式:WAK-CuM-2) |
目視 | 検出不可 (0.5mg/L未満) | 1~3mg/L |
水質計 (型式 : DPM-MTSP) | UNDER | 2.0mg/L |
このほか、測定目盛やデジタルパックテストへの対応など異なる点がありますので、用途に合わせて選択してください(表2)。
パックテスト銅 (型式:WAK-Cu) | パックテスト銅(排水) (型式:WAK-CuM-2) | |
測定原理 | バソクプロイン比色法 | DDTC比色法 |
測定目盛 | 0.5、1、2、3、5、10以上 mg/L | 0.5、1、3、5、10、20 mg/L |
デジタルパックテスト ※1 | ○ | × |
デジタルパックテスト・マルチSP ※1 | ○ | ○ |
スマートパックテスト ※1 | ○ | ○ |
特徴 | 他の金属イオンの影響を受けにくい 錯形成した銅イオンは測定できない | 錯形成した銅イオンでも測定できる 他の金属イオンの妨害を受けやすい |
※1 パックテストと水質計やスマートパックテストでは測定範囲が異なる製品もありますのでご注意ください。
どちらの製品も5回測定分のサンプルをご提供することが可能です。お気軽にお問い合わせください。
関連製品
パックテスト銅 型式 : WAK-Cu
パックテスト銅(排水) 型式 : WAK-CuM-2
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